自社のIT環境を、
取引先へ
説明できる
状態に。

SCS評価制度で問われるのは、チェックシートの回答だけではありません。IT資産・外部接続・委託先アクセス・証跡・責任分界を、事実に基づいて示せること。ここでいう「説明できる」とは、何を管理し、誰が責任を持ち、どの証跡で確認できるかを取引先へ示せる状態です。

IT Infrastructure Consulting & Engineering Management

SCROLL
01
INFORMATION

SCS評価制度の全体像

正式名称
サプライチェーン強化に向けた
セキュリティ対策評価制度
(SCS評価制度)

経済産業省が主導し、IPAが運営する制度です。IPA公式FAQでは、★3・★4は2027年3月頃に運用開始予定としています。2026年8月に基本規程が公開され、9月には評価機関等の指定申請が始まりました。

★3
専門家確認付き自己評価有効期間 1年・毎年更新
取得
更新
更新
★4
第三者評価+技術検証有効期間 3年・毎年自己評価
取得
自己評価
自己評価
更新
制度の7分類(名称は経産省「制度構築方針」p.16、説明はINETによる要約)— ★3は26要求事項、★4は43要求事項
01
ガバナンスの整備
セキュリティ方針・体制・リスク管理プロセスの確立
02
取引先管理
委託先・サプライチェーン全体のセキュリティ確保
03
リスクの特定
資産・脆弱性・脅威の把握と整理
04
攻撃等の防御
アクセス制御・脆弱性管理・設定管理
05
攻撃等の検知
セキュリティ異常・インシデントの検知体制
06
インシデントへの対応
発生時の対応手順・報告・封じ込め計画
07
インシデントからの復旧
事業継続・復旧計画・教訓の反映

★3は、セキュリティ専門家による確認を経た取得希望組織による自己評価(専門家確認付き自己評価)を求めます。

経済産業省「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度に関する制度構築方針」(2026年3月27日)p.13

出典:経産省「制度構築方針」(2026年3月、p.13・16)/IPA「SCS評価制度の詳細情報」(2026年5月29日更新)/IPA「要求事項・評価基準」(2026年4月21日公開)。2026年10月13日確認。

制度運営の動向:IPA「制度規程・委員会」(基本規程2026年8月28日公開)/IPA「評価機関等の指定申請」(2026年9月18日受付開始、10月26日17時締切。10月7日に指定申請FAQを更新)/IPA「SCS評価制度FAQ」(運用開始時期の根拠:2027年3月頃予定)。評価機関等の指定申請と、企業が★を取得するための申請は別です。

SCS 評価を前に

こんな状況ではないですか。

正式名称や評価区分を理解しても、実務では「何を確認し、どこから手をつけるか」が残ります。証跡・責任分界・毎年の維持まで見据えて、多く寄せられる声を整理しました。

こんなご相談、ありませんか
  • 取引先からSCS(★3/★4)対応を求められたが、何から手をつけるか分からない
  • 制度対応の提案を受けているが、自社環境に本当に合うか判断できない
  • 評価の取得自体が目的化し、取得後の毎年の維持まで描けていない
  • いまのIT環境を活かして、棚卸しからやり直さずに最短で整えたい
02
INFORMATION

なぜ「準備」が必要か

SCSの要求事項を現用環境に照合する際、INETはIT資産・外部接続・委託先アクセス・証跡・更新管理の実態を確認します。以下はINETが推奨する現況整理の観点であり、制度上の要求事項一覧ではありません。

背景 — サプライチェーンリスク

取引先・委託先で利用しているシステムや連絡経路が止まると、自社の業務にも影響する場合があります。依存する業務と管理担当を確認することが出発点です。

INETが現況整理で確認する範囲
  • IT資産機器・ソフトウェア・契約の把握
  • 外部接続インターネット・クラウドへの接続管理
  • 委託先アクセス外部への権限・アクセス経路の整理
  • 証跡設定変更・操作ログの記録
  • 更新・変更管理差分の記録と運用への反映
  • 毎年の維持評価後も続く継続管理
評価後も証跡の継続更新が必要です。★3は毎年更新、★4は3年ごと(毎年自己評価付き)。

上記はINETが現況整理で用いる観点の例です。公式のSCS評価基準とは区別してください。

●
READINESS LENS

制度項目を、実環境の証跡へ落とす。

SCSの確認項目は、紙の回答では完結しません。台帳、構成、設定、ログ、契約、運用手順、委託先アクセスの実態がつながって、初めて取引先へ説明できる状態になります。

01 / ASSET & CONNECTION

資産・接続の現在地

IT資産、外部接続、クラウド、VPN、委託先アクセスを、FactとUnknownに分けて整理します。

02 / RULE & EXCEPTION

例外・許可の判断基準

許可している通信、固定IP、例外運用、権限付与が、なぜ必要なのかを説明できる基準へ落とします。

03 / OWNER & UPDATE

責任分界と継続更新

誰が管理し、誰が承認し、障害時に誰が動くか。毎年の更新に耐える運用として残します。

03
公開情報・事例

仕入先のシステム障害が、国内14工場28ラインの稼働停止に影響

2022年3月1日、トヨタ自動車は、小島プレス工業のシステム障害の影響を受け、国内全14工場28ラインを停止しました。3月2日からの稼働再開を発表しています。

確認できる事実
14工場28ライン

トヨタ国内工場/2022年3月1日の稼働停止

小島プレス工業は、2月26日夜に外部からの不正アクセスを検知し、一部サーバーで障害が発生したため、被害拡大防止としてシステムを停止したと公表しています。得意先との受発注データのやり取りは、代替手段で再開されました。

公表された経過
  1. 2月26日夜小島プレス工業で不正アクセスを検知。その後、システムを停止
  2. 3月1日トヨタ国内14工場28ラインが一時停止
  3. 3月2日トヨタは全工場の稼働再開を予定(3月1日発表)

これはシステム障害と生産への影響を整理したものです。攻撃がトヨタ側のシステムへ侵入・拡大したことを示す図ではありません。

この事例から考えること

取引先の業務やシステムとの依存関係、障害時の連絡・代替手段・担当範囲を確認することは、自社のIT環境を整理する際の論点になります。この事例は、SCS評価の取得や特定の点検による事故防止効果を示すものではありません。

04
OUTPUT

SCS評価に向けて残すべきもの。

取得のための回答だけではなく、翌年も使える証跡、責任分界、更新課題を残します。ここで整えた情報は、ITインフラ標準化アセスメントの入口にもなります。

Fact/Unknown一覧

確認済みの情報と、権限・時間・環境制約により未確認の情報を分けて残します。

資産・外部接続棚卸

IT資産、外部接続、委託先アクセス、契約・保守情報の現在地を整理します。

責任分界メモ

所有者、管理者、承認者、既存ベンダ、障害時の動き方を確認課題として明確にします。

継続更新ロードマップ

毎年の更新、台帳差分、証跡管理、保守期限、改善テーマを継続運用へ接続します。

05
VALUE

進め方

まず現在地を確認し、Unknownを隠さず、評価準備・継続整備・標準化の順番を決めます。

01

現在地確認

IT資産、外部接続、委託先アクセス、証跡、管理主体をFact/Unknownで整理します。

02

未確認領域の明示

構成・接続、運用基準、管理責任・判断主体の未確定部分を、推測で埋めず確認課題として残します。

03

対応順序の設計

影響範囲、判断基準、責任分界の順に、取得・更新・継続整備へつながる優先順位を置きます。

04

継続整備・アセスメントへ

SCS評価に向けて整えたFact/Unknownを、台帳整合、EoL、変更管理、標準化アセスメントへ接続します。

NEXT ACTION

自社のIT環境を
「取引先へ説明できる状態」に。

SCS評価制度をきっかけに、IT資産・外部接続・委託先アクセス・証跡・責任分界を、取引先へ示せる情報として整理します。

相談する
SCS は入口。本丸は、その先。

評価に向けて整えた環境を、
経営資産に育てる。

SCS評価への準備はゴールではありません。取引先へ説明するために整えた資産・外部接続・責任分界・証跡は、そのまま更改、EoL対応、BCP、投資判断の土台になります。標準化アセスメントでは、IT環境全体をFact/Unknownで整理し、判断できる状態へ移します。

ITインフラ標準化アセスメントを見る →

出典:IPA「SCS評価制度」サイト(2026年10月13日確認) ipa.go.jp/security/scs /経済産業省「SCS評価制度 制度構築方針」(2026年3月27日) /2022年の仕入先システム障害事例は、上記のトヨタ自動車・小島プレス工業の公式発表に基づきます。